ITB療法を受けている患者さんとご家族へ
日常生活で注意することは?
監修:横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科 根本明宜 先生
- ITB療法ってどんな治療?
- ポンプやお薬であらわれる
副作用には何がある? 日常生活で注意することは?
- 治療中に受けられる公的サービスは?
他院で治療を受けられる場合
他の病院、診療科、または歯科医院で診察を受けるときは、ITB療法を行っており、ポンプが植込まれていることを伝えてください。その際に、患者手帳や薬剤注入ポンプ植込みカードなど、ITB療法を行っていることが分かるものを提示してください。
また、他院でもらったお薬を飲む場合は、事前に主治医に連絡してください。


注意が必要な医療機器
病院で使用する一部の医療機器は、植え込まれているポンプに影響を与える可能性があります。以下の医療機器を使用する際には注意が必要となります。
- MRI(磁気共鳴画像診断装置)
- ジアテルミー
- 骨成長刺激装置
- 結石破砕装置(高出力超音波)
- レーザー処置
- 精神療法的手技(電気ショック療法、経頭蓋磁気刺激療法等)
- 放射線照射治療
- 高周波(RF)またはマイクロ波焼灼機器
- 磁気治療器(磁気マットレス・ブランケット、手首や肘用の磁気バンド)
- 他のプログラム可能な植え込み機器(ペースメーカー、除細動器、神経刺激装置など)
日常生活での注意事項
日常生活を変える必要はありませんが、ポンプが植え込まれている部位に負担のかからないように注意しましょう。困ったことや何か異常がある場合は、定期来院時に主治医に尋ねてください。
食事
- 食事は特に制限はありません。
- アルコール類の多量飲酒は控えましょう。
睡眠
- 睡眠は十分にとりましょう。日中でも眠気が強いときは早めに受診してください。
入浴
- お風呂はポンプに影響しません。いつもどおり入浴できます。
- 入浴中またはあがった後に疲れやだるさを感じたら、横になって休んでください。
- 傷口が赤くはれていたり、ジクジクするときは入浴は避け、受診してください。
運動、レクリエーション
- 適度なリハビリを毎日継続し、体力をつけましょう。
- 激しい動作を伴う運動や、体を大きくねじるような動きのある運動は控えましょう(体を大きく曲げたり、ひねったり、伸ばしたりする動作は、ポンプやカテーテルに悪影響を与えることがあります)。
- 自動車の運転をする場合は十分注意しましょう。眠気がある場合は運転は避けてください。
電気製品、コンピュータ機器の影響
- 日常生活で使う家電製品、携帯電話はポンプに影響しません。
- 高電流の工業用装置や強力な磁気を発する機器には近づかないでください。
- 空港の金属探知機や、ショッピングセンターなどに設置された盗難防止装置に近づくと、それらの装置が反応してしまうことがあるので、体内にポンプがあることを示す「患者手帳」や「薬剤注入ポンプ植込みカード」を携帯するようにしてください。